そくわんに対するヨガについて - 〜step By Step〜 [ 側弯症ライブラリー] 患者の皆さんへ
ではありません。ですから、医学情報の正確性、医学論文の翻訳の的確性には非常
に神経をつかい苦労しています。
私のような立場の者は、自分の情報によって患者さんやそのご両親をミスリード
することがあってはいけない。という点にもっとも注意をはらっているつもりです
。でも、どうしても、こういう専門的なトピックスを書いていると「独善」に陥る
危険は非常に高いだろうと自戒しています。
人は「善」だと思っているときが、もっとも「過ち」に近いだろうと思います。
自分は「善」な行いをしていると考えているときが、実はもっとも危険な状態に
陥っているものなのだと、つねに自分を戒めることが必要だと思っています。
民間療法者は、その行為が「善な行い」である。とい� ��ところに立脚していること
が事態を複雑にしています。このブログのなかのトピックスとしても何度もとりあ
げていますように、運動すること、体操すること、スポーツすることは側弯症患者
さんにとっても、とても大切な要素です。筋力を鍛えること、体力をつけること、
精神力を高めること、それは全ての人間にとって大切であるように、そくわん症患者
さんにとっても大切なことであることは誰にも疑いようのないことです。
社会にニュージーランドの子供の肥満の影響は何ですか
ここではヨガをとりあげて話しをさせていただきます。
ヨガも身体を鍛える、精神力を高めるという効果において、否定されるべきもの
ではないと思います。ヨガを継続する過程で測わんカーブが改善する/した患者が
いたとしても、不思議なことではありません。なぜならば、何の治療も、装具も
まったく何もしなくてもカーブが自然に正常に戻る患者さん、減少する患者さんも、
比率は少ないですが、存在するからです。このブログのなかで「アウトカム」と
いうトピックスで紹介させていただいている研究のなかにそのような患者さんが
いることがわかります。
従って、ヨガをやってる患者さんのなかで� ��ブ角が減少する方がいたとしても
それは決して不思議なことではありません。というよりも、もしそれでコブ角が
減少する患者さんがいたとしたら、それは喜んであげるべきことであり、
その患者さんの努力を喜んであげたいと思います。
しかし、同時にそれは下記の状況でもあるでしょう。
ヨガをする ヨガをしない
↓ ↓
コブ角減少 コブ角減少
もうひとつの忘れてはいけない事は、
ヨガをする ヨガをしない
↓ ↓
コブ角増大 コブ角増大
そくわんに対するヨガが側弯症の変形に効果があるかどうかは「不明」です。
なぜならば、もしそくわんヨガが側弯症の変形に効果があると証明されて� ��るなら
ば、そくわんヨガ発祥の地アメリカで、 Elise Browningを中心として
「Yoga for Scoliosis」は爆発的に患者に受け入れられ、医学界にも受け入れられ
ていると思います。残念ながらそのような事実をネットから見つけることはでき
ませんでした。
Eliseの Yoga for Scoliosisのなかから、文章を引用します。
Can yoga help me to decrease my lateral curve?
歩行不安定
This depends on your age, degree of scoliosis and dedication. It also
depends on whether your scoliosis is functional or structural. With an open
mind and a consistent practice, anything is possible. More importantly, my
students have found that yoga has given them a tool to cope with scoliosis
without depending on a professional to "fix" them. Yoga not only alleviates
their pain but also fosters a sense of empowerment. They gain confidence,
strength and flexibility not only in your yoga practice but also in their
lives.
質問 :ヨガは側弯症による脊柱のカーブを減少させてくれるのですか?
回答 :それはあなたの年齢、コブ角の程度、そしてどれだけ熱心にヨガをするかに
かかっています。また、あなたの側弯症が機能的側弯症なのか構造的側弯症(特発性
側弯症等)なのかにもよります。心を広くもち、一心に修練に励むならば何事も
不可能なものはありません。さらに重要なことは、私のヨガの生徒等はヨガによって、
手術による「固定」をすることなく、側弯症とうまく共存していく方法を見つ
けることができたのです。ヨガは痛みを軽減するだけではなく、自己を高めようと
する感性の助成にも役立ちます。生徒等はヨガの習得においてだけではなく、人生
を生きる道に対しても自信と心の強さと柔軟性を得ることができるのです。
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(august03より)
上記文章のどこにも、「特発性側弯症が治る」などとは一言も書かれていません
このホームページのどこにも「側弯症を治せる」などとは一言も書いてありません
訴訟世界の米国でそのようなコミットをするわけがないのは当然です。
ですから、慎重な文章になっているわけです。コブ角は減少するかもしれないし
減少しないかもしれない、それは全て「貴方」しだいですよ、というのが読みとれ
るわけです。
NY "痛みmedecineの中心"
このEliseという女性がヨガをビジネスとしているのか、それとも治療することに
信念を燃やしているのかはわかりません。わかるのは料金が
Private Session Prices For Singles:
Elise's home: $180 for 1 1/2hrs 彼女の家でのレッスン 180ドル/時間
Client's home: $230 for 1 1/2hrs 患者の家でのレッスン 230ドル/時間
1時間30分で約2万円が高いのか、安いのか私にはわかりません。それを受ける
客(ニーズ)があるということなのでしょう。
医療において考えていただきたいことは、ある治療法をやった場合、それが
効果のあった患者さんの陰には、例えばコブ角が減少しなかった患者さん、増大
した患者さんがいるはずです。もし全ての患者さんに効果があったとしたら、
それは画期的な医学的大功績です。ヒポクラテスの時代から現代にいたるまで、
古今東西の賢者、医学者、施術者、民間療法者がなしえなかったことを、その方
はなしえたということなのですから。
しかしながら、この世の中に100%というものはありえません。あたかも100%の
人たちに100%の効果があるような宣伝の仕方 は、Eliseさんはしていません。
その方もかつては側弯症で苦労されたようです。だから今、一生懸命に患者さんを
救おうとしているようです。きっと、そのような苦労をさせることなく、患者さん
を助けてあげたいという気持ちからそくわんに対するヨガをされているのだと思い
ます。
人を助けたいという気持ちはとても崇高なものです。その気持ちは美しく輝いて
います。ですから、私は ヨガ自体を否定する考えはありません。
しかし、善ゆえの行き過ぎにも注意されるべきだと思います。
Elise師のホームページには、いたるところに次のような注意が書かれています。
first consult with your doctor and then find a qualified teacher.
最初に主治医に相談しなさい、それから適格な講師を探しなさい
in consultation with your physician, physical therapist or a certified yoga
instructor.
主治医、理学療法士(作業療法士)あるいは資格のあるヨガインストラクターと相談
Any pain over an extended period of time should be brought to the attention
of your physician.
痛みが続いてなかなかひかないような場合には、必ず主治医に診てもらうこと
it is recommended to consult with your physician before beginning a new
type of exercise and bringing any pain to the attention of a physician.
新しいタイプのエクササイズを始める前には必ず主治医と相談すること。
もしその結果、痛みが現れるようであれば、医師に診てもらうこと。
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「側弯症が治る」という言葉を患者さんに対して用いることは、医学における
病気/病態を治癒できる、と表明していることになりますが、民間療法者の行って
いることは医療ではなく患者という不特定集団を「惑わす」宣伝にすぎません。
患者さんは弱いものです。わらをも掴みたい気持ちです。不安で一杯でしょう。
そのような弱い立場の患者さんを真に助けたいのであれば、事実にもとづいた記録
を正直に提示することで足りるはずです。
患者さんが求めているのは「事実」が何か、ということ� �はないでしょうか。
仮に10人にひとり、100人にひとりでもヨガによってコブ角が減少することができた
としたら、それは非常に喜ばしいことです。祝福されるべきことです。
そのお手伝いができたならばヨガを指導しているEliseさんにとっても嬉しいこと
なのではないでしょうか。
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ブログ内の関連記事
「測わん症と体操 あるいはヨガ その効果について」
(御願い:本ブログ内で使用している「整体」とは、特発性側弯症を医学的根拠を
示すことなく治療できると宣伝し、特発性側弯症という原因不明の病気で苦しんで
いる患者さんとそのご家族を「ビジネス」のために利用している一部の整体のこと
を示しています。そのような整体のために、多くの良識ある整体の方々が同列で
呼称されることは本意ではないかと思いますが、その点に関しては整体という業界
内で解決されることを期待しております。業界基準と倫理規定を持たれているカイロプラクティックの方々は、もちろん含むものではありません)
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