新撰組パラノイア☆ - 切腹してなんぼ
「以上です。覚えやすいでしょう?」
そう言って笑う沖田さん。
「ち、ちょっと待って下さい!!え?切腹?これ破ったら一発で切腹になるんですか!?」
「…ええ…でも千優さんの場合、一カ条だけですから…随分と楽ですよ?」
沖田さんは、何に驚いてるのか分からない、という感じに目を丸くするが、やっぱり納得できない。
「いやいやいや!!そういう問題じゃないです!何でいきなり切腹までいくんですか!?というか、士道なんてそんな曖昧な枠じゃ分かんないじゃないですか!」
「元々浪士だった者の集まりですから…『士道に背けば切腹』というのは妥当だと思いますけど…まぁ確かに、曖昧な枠ですよね」
そう言って沖田さんは苦笑する。
「� �沖田さんはそれで平気なんですか!?」
極度の肥満の雇用
「この条例は土方さんが、新撰組の敵を都合よく消すために作ったようなものですからね。大それた事をしなければ、まずこれには引っ掛からないと思いますよ」
一瞬、思考が止まる。
(敵を…都合よく消す…?
あの土方さんが…?
あんなに優しいフレンドリーな人だったのにっ!!!
人って、ディープだ…。
でも余程の事がない限り大丈夫、か…。良かった)
「土方さんは、少し軽い男に見えるほど明るくて、それでいて真っ直ぐな人です。それは本性ですよ。でもいざとなれば近藤さんの為に自らの手を汚せる。それもまた本性です」
私の気持ちに気づいたのだろうか、沖田さんが前を見据えたまま独り言のように言う。
「そう…ですか…」
少し先が不安になった私に沖田さんが続ける。
「大丈夫ですよ。新撰組を裏切らない限り、敵に回らない限り、彼に冷たくされることはないですから」
「はい…」
私は何とか納得して返事をした。
"うつ麻痺"
組織を動かすためには、善人でばかりはいられない。
それに新撰組は刀を用いる組織。それを束ねる為には、やはり武力公使が必要なのであろう。
ふと沖田さんが足を止める振り返る。
「あ、ここが炊事場です」
「……」
「では次に行きますか」
歩き出そうとする沖田さんの袖を掴む。
「あの、これが炊事場?」
「はい。ご飯作りは当番制なので場所を必ず覚えておいて下さいね」
「……」
(炊事場?え?炊事場って…嘘だよね)
そこには炊事場とはかけ離れた空間が広がっている。
まず感じるのは異臭だ。いままで嗅いだことのないほど、臭すぎる。床や壁は茶色く染まっているが…正体は腐った食べ物だ。
使ったと思われる食器は、水で軽く濯いだだけなのだろう、所々に食べ残しが残ったままだ。
しかも無造作に床や石段に転がっている。
発作ASON
釜やまな板、包丁等の炊事道具らしきものが見えるが、もはや本来の役目を果たせぬほど汚れていた。
「な、何なんですかココはっっ!!!」
「?だから炊事場ですけど?」
沖田さんの平静さに思わずのけ反る。
「…体調不良の隊士が、続出していませんか…?」
今度は沖田さんが目を見開く。
「よく分かりましたねぇ!そうなんですよ、最近お腹が痛いと寝込む者が多くて…」
「当たり前じゃあないですかっ!!何ですか?このごみ溜めは!何で炊事場に、汚い足袋とか鉢金が転がってるんですか!しかもハエ飛んでる!」
「なるほど…この不衛生さが原因でしたか…。土方さんに言っておきますね」
神妙に沖田さんは頷く。
(ダメだ…この� �天然だ…!)
「とにかく、今すぐ掃除です!!」
「え!?でもまだ案内が途中…」
「そんな悠長なことを言ってる場合ですかっ!夕食に間に合いませんよ。早く皆さんを呼んできてくださいっ!!」
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